最近は酷暑が続くことも多く、これから夏がくるのを考えるとげんなりした思いになってしまう人もいるのではないでしょうか。夏を元気に過ごすためには、まずはスタミナが大切です。鍛えるよりも先に、手軽に取り入れることができて効果が感じられる方法があることをご存じでしょうか。それは、最近改めて注目されている、肉をしっかりと食べる「肉食」です。今回はその肉食についてご紹介します。
■「夏バテ」を軽視するのはNG!酷暑到来の前に必須のスタミナ対策 夏の厳しい暑さによる夏バテは、放っておくと深刻な健康の悩みに発展してしまいます。疲労感や倦怠感、食欲不振など仕事や普段の生活への影響は、大きなダメージとなることでしょう。熱中症や夏バテ対策として、水分補給が大切だということはよく知られていますが、水分補給だけでは十分な対策とはいえません。体の基礎を形づくるさまざまな「栄養素」を補給すること、特に体力の素になるスタミナをつけることが、夏の暑さによる体力低下対策には欠かせないポイントになるのです。 辛い夏バテになってしまわないように予防法としておすすめなのが、スタミナのつく食事をしっかりと摂ることです。当たり前のことのように聞こえますが、これを効果的に実践できている人は意外と少ないかもしれません。
■エネルギーを生み出す源が詰まっている「肉」でスタミナをつける スタミナ不足は、簡単にいうと「タンパク質不足」のことを意味します。タンパク質は、筋肉や体組織の組成と修復・血液の生成などを行うために必要な栄養素です。これが不足すると、体力の低下や疲れなどを感じやすくなってしまいます。 タンパク質をサプリメントなどに頼らず、自然な食事からしっかりと摂取するには肉を食べることが最も効率的です。また、肉にはビタミンやミネラルといった筋肉や皮膚の組成・修復、健康的な活動のための栄養素が豊富に含まれており、これらの栄養素は摂取したタンパク質をエネルギーに変換するのに欠かせません。実は、タンパク質単体では役には立たず、ビタミンやミネラルを同時に摂ることで初めて効果が発揮されるのです。 つまり肉は、皮膚や筋肉を形づくりエネルギーとなるタンパク質と、その力を効率的に利用するためのビタミンやミネラルを、同時に自然な形で摂ることができる貴重な食材といえるのです。
■普段の食卓を「スタミナ料理」へとアレンジ! 日本人の食卓に欠かせない三大食肉といえば、牛肉、豚肉、そして鶏肉です。自分や家族の体調を守ろうと考えるのであれば、献立を決める際に「どの肉でどの部位にするか」まで考えるのもおすすめです。 肉の種類それぞれの特長を踏まえながら、スタミナ補給として役立つ調理法をご紹介しましょう。 スタミナアップと疲労回復に効果的! 夏こそ「肉食」がおすすめ(写真=PIXTA) ((ZUU online))© (ZUU online) スタミナアップと疲労回復に効果的! 夏こそ「肉食」がおすすめ(写真=PIXTA)
●牛肉 「牛肉」の腰からお尻にかけてのランプ・もも肉などは、赤身で鉄分などのミネラルとタンパク質を豊富に含んでいます。肉に含まれているヘム鉄は、野菜などに含まれる非ヘム鉄よりも吸収率がよいため、赤身がおすすめです。牛肉を食べるときには鉄分の吸収を助けるビタミンCを含む食品と組み合わせましょう。野菜や果物に含まれるビタミンCは熱に弱いのですが、ジャガイモに含まれるビタミンCはデンプンに守られているため熱に強く、組み合わせる食材としてはおすすめです。
●豚肉 「豚肉」は、お肉の中でも特にビタミンB(ビタミンB1、B2など)を多く含むため、スタミナ補給には欠かせない食材です。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝を助ける働きがあります。特にもも肉や脂身の少ない肩ロースは、豚肉の中でもビタミンB1が多く含まれる部位のためおすすめです。しかしビタミンB1だけを摂取しすぎるのは逆効果になります。そのため、クエン酸を含む食品(梅、お酢、パイナップルなど)と組み合わせましょう。
●鶏肉 「鶏肉」は特にむね肉やささみ・レバーなどにタンパク質を多く含み、カロリーが比較的に少ないのが特長です。近年、むね肉に含まれる「イミダペプチド(イミダゾールペプチド)」成分の疲労回復効果に注目が集まりました。調理法としてはスープがおすすめです。30分以上煮込むことでイミダペプチドがスープに抽出されます。
■年齢を感じ出した時こそ「肉」がおすすめ
日本人の食生活はここ50年で大きく変化しています。1960年には1人あたりの年間肉(牛肉・豚肉・鶏肉)消費量がわずか3.5キログラムだったのが、2013年には30キログラムとなりました。とりわけ高齢者にとって肉食は重要なタンパク源となっており、高齢者の食肉消費も少しずつ増加しています。(農林水産省『食料需給表』より)
日本人が大事にしてきた伝統的な和食文化ですが、動物性たんぱく質を主とした新しい洋食文化をうまく取り入れることに、健康的に体力を保つことができる理想的な食生活の秘訣が隠されているのかもしれません。
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